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Last up date 5/23/2004 |
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マサーチューセッツ（MA）州、運命の２００４年５月１７日がやってきた。この日は、MA州で初めて、Gay Marriageが認められ、 Licenceが正式に発行される日なのだ。私も、好奇心半分で、１６日深夜、ハーバード大学やMITがあるケンブリッジ市の市役所前に出かけた。レンガ造りの市役所の前には、すでに数千人の人が集まっていた。多くは、この歴史的瞬間を、この目で見たい、という私のような野次馬だが、もちろん、この野次馬達は、同性結婚を祝福するために集まっている。 市役所の時計が１２時を指し、群集の歓声があがる。５月１７日だ。 しばらくすると、再び、群集が歓声をあげ、拍手が巻き起こる。１番に認められたカップルが市庁舎から出てきたのだ。背の低い私には、そのカップルを確認は出来なかったが、彼女らが皆に祝福されているのは明らかだった。幸せそうな顔が目に浮かんだ。
数日前から各メディアは、このGay Marriageについて取り上げ、当日は現場から生中継でその盛り上がりを報道した。しかし、MA州の前にも、Gay Marriage を認めている自治体がある。San Francisco(CA); Scandoval County(NM); Asbury Park(NJ), New Paltz(NY) and Multnomah County(Oregon)である。 ５月１７日付けのタイム誌は、オレゴン州マルトノマ郡をとりあげ、興味深い話を掲載している。マルトノマ郡は、政府がGay Marriage を自ら認めている唯一の自治体なのだ。 MA州をはじめとする多くの自治体は、裁判所の『Gay Marriage を認めなければならない』という判決に対し議論を繰り返し、Civil Unionsを創設するなどの対策をしている。法的手続きが時間的に間に合わず、現在は、やむを得ず認める形になっているだけなのだ。それに対して、マルトノマ郡は、そういった手続きを一切せず、この２ヶ月で、3,022組のGay Couples にMarriage Lisences を発行している。 事実、マルトノマ郡は非常にリベラルな郡だ。昨年は、所得税の導入に関して住民投票という形をとっているし、２０００年の大統領選では民主党が勝利している。オレゴン州全体では、保守派ブッシュ支持が８割を占める中では左寄りといえる。 マルトノマ郡のGay Marriage に関しては、ゲイ支持団体であるBasic Rights Oregon(B.R.O)が政治的に活動した。裁判には時間がかかるし、住民投票はコストもかかりリスキーだ。議会では、意見は真っ二つに分かれている。そこで、B.R.Oが注目したのが、郡の行政を司るCounty Commissioners。ここで、Gay Marriageを認めてもらえば、行政的に結婚の手続きが可能となる。幸い、この委員の５人のうち４人は、B.R.Oを支持していた。 郡で議論が巻き起こることを避けるために、事は秘密裏に、そして迅速に運ばれた。その結果、３月３日に無事に同性愛者に対して、Gay Lisence を発行することとなった。 巧妙な方法で、実質的には権利を獲得したものの、逆に反対派の反発も大きかった。Comissionersのうち２人には、リコールがかけられることになった。州は、郡の決定に反発を示しているし、高等裁判所がこの決定とは異なる判決を下せば、状況は反転するかもしれない。まだまだ、この問題が解決したとは、言えない状況にある。 『私は市民権の勝利を得た。こんな経験は初めてだ。私の人生が変わったのだ。このことに関わった全ての人の人生も変わったのだと思う。』B.R.Oの代表が語っている。 ケンブリッジ市で婚姻届をすませたカップル達も、人生が変わるほどの出来事に違いない。TVや新聞で見る彼ら、彼女らの様子は、皆、幸せ一杯だ。そういった幸せを拒む理由はあるのだろうか。Civil Rightsという言葉が私の胸に響いた。(May.2004)
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